聖闘士星矢ハーデス編はこうすれば面白かったのではないか?

漫画・アニメ

車田正美氏の傑作漫画「聖闘士星矢」。
現在もスピンオフ漫画の連載が続く、説明不要の人気作品です。


しかし、いわゆる正伝とでも言うべき、車田正美氏が直々に描いた「聖闘士星矢」は、少年ジャンプの連載では、最終的に打ち切りという憂き目にあいました。

後にコミックスで加筆されていますが、連載は主人公・星矢がハーデスに流星拳を放ったところで終了しています。

つまり、ハーデス編は読者が面白くないと判断したわけですね。

私自身も当時、タイムリーに読んでいた人間として、同じことを思っていました。

途中までは面白かったのに、冥界に行ったあたりから面白くなくなったなと。

そこで、どう描いていれば面白かったのかを、僭越ながら、一読者として考えてみました。

古い記憶なので、多少間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。

途中までは面白かった

前教皇のシオンがサガ、シュラ、カミュらを率いて、生き残った黄金聖闘士たちと対決するところまではワクワクするものがありました。

デスマスクとアフロディーテは情けなかったですが、そこはご愛嬌……

黄金聖闘士同士が戦えばどうなるのかという想像は、ファンなら誰でもしていたことで、どのような回答が作者からあるのか楽しみにしていました。

アルデバランがあっさりとやられたのは不満でしたが、シャカがサガ、シュラ、カミュらを圧倒する姿などは読者が読みたいものでした。

そのあとの、黄金聖闘士同士のアテナエクスクラメーションの撃ち合いもなかなかの見せ場でした。

最後はアテナが黄金の短剣で自らの命を絶ち、冥界に向かうわけですが、そこまでは面白かったと思います。

ちなみに個人的意見ながら、黄金聖闘士強さランキングという記事も作っていますので、よかったら読んでみてください。

黄金聖闘士ランキングを作ってみました(あくまで個人の見解です)。
はじめに・前提条件など 車田正美氏の大人気漫画「聖闘士星矢」。 88の星座を象った聖衣(クロス)を身にまとった少年たちが、女神アテナを守るため、海王ポセイドンや冥王ハーデスらと戦う漫画です。 88人の聖闘士(セイント)の頂点に立つのが12人...

不満その1 技がワンパターンになった

この漫画の最盛期は十二宮編と言って間違いないでしょう。
まだマッハの速度がどうこう言っていた時点なのに、敵として立ちはだかった黄金聖闘士たちは光の速さで動き、攻撃を加えて来ました。

その技も多彩でした。
地獄の入り口に送り込まれたり、異次元に飛ばされたり、凍らされたり……

しかし、ハーデス編に入ったあたりではネタが尽きていたのか、技の名前を叫ぶと、なんらかの衝撃波が出るという形の技ばかりでした。

主人公たちが吹き飛ばされて、「うわー」と叫んでいますが、読者には何が起こったのかわかりませんでした。
もっと、恐るべき攻撃を見たかったのですが、こうもワンパターンになると何がすごいのかよくわからなくなりました。

しかも、せっかく登場した敵の技が「聖闘士には一度見せた技は通用しない」とあっけなく2回目は封じられてしまうわけですから、もったいないなと思いました。
その技をどうやって破ったのかを見たかったです。

不満その2 黄金聖闘士たちの扱いがひどかった

先述したようにアルデバランがあっさりとやられるなど、黄金聖闘士の扱いに不満があります。

デスマスクとアフロディーテだって、もう少しマシな扱いがあったと思うのですが……

黄金聖闘士たち数人もハーデス城に向かいましたが、ハーデスの結界の影響ということで、アイオリア、ムウ、ミロらの人気キャラが簡単に倒されてしまいました。

後に復活しますが、出番は壁に穴を開けるだけでした。
冥界三巨頭という連中の強さを示したかったのかもしれませんが、負けるにしても、もう少し見せ場があっても良かったのでは?

新登場キャラに箔をつけるために、かつてのライバルたちが負けるのはジャンプ漫画の鉄則ではありますが、同じ負けるにしても、「さすがは黄金聖闘士」と相手に言わせるだけの見せ場が欲しかったです。

シャカでさえ、冥界に行ってからそれほどの活躍はありませんでした。
サガから双子座の黄金聖闘士の座を継いだカノンが少し健闘した程度でしょうか。

老師(童虎)もどこでどう戦って、最後、嘆きの壁の前に現れたのか、よくわかりませんでした。

当初の構想ではおそらく戦闘シーンが用意されていたのかもしれません。

しかし、打ち切りが決まり、出番がなかったのでしょう。

天秤座の武器を使う黄金聖闘士たちの活躍が見たかったです。

前教皇のシオンは青銅聖闘士たちの聖衣にアテナの血を使い、結界の影響を受けなくしましたが、どうして黄金聖闘士たちの聖衣にも同じことをしなかったのでしょうか?

聖衣が壊れていなかったから?

黄金聖衣といえば、最後双子神のひとりタナトスと戦っている最中、聖衣を失った星矢たちに対して、ポセイドンが黄金聖衣をわざわざ送りつけてくれるわけですが、次のページに入った頃には粉々に砕かれています。
ポセイドンの立場は一体……

連載打ち切りが決まって展開が早くなっていたのかもしれませんが、どうせならタナトスは黄金聖衣を着たまま倒して欲しかったです。

神聖衣が現れるのは、ハーデスと闘うときで良かったのでは?

不満その3.強さのバランスがわからなくなった

まだ十二宮で戦いが行われていた頃、シャカが処女宮にいながらも、巨蟹宮を半ば破壊したのを見て、ムウが驚くシーンがあります。

しかし、黄金聖闘士の強さといえば、サガの技は銀河の星々を砕くとさえ言われ、アイオリアとシャカが戦えば、地上が滅びるかとも言われたほど。

その程度で驚いているムウにこちらが驚きました。

また、デスマスクはいつの間にか星矢にもなめられるような存在になっていました。

蟹座と魚座の扱いが悪いのは前からのことですが、いくらなんでももう少し見せ場があっても……

冥界にて、カノンが冥界三巨頭のひとりアイアコスに苦戦しているところに一輝が現れますが、カノンが苦戦したアイアコスを一輝が最初こそ苦しむものの、途中で技を見切って倒してしまいます。

これもどうなのかなと思いました。
カノンはまだ活躍したほうですが……

結論

この漫画は「キャプテン翼ワールドユース編」と同じ失敗をしていると思います。

最後の戦いに至るまでの過程は良かったのに、肝心のクライマックスがいまいちだったと。

結果、連載打ち切りが決まり、話が急展開になり、雑になり、不本意な形で終わることになりました。

ジャンプ漫画にありがちな、過去のライバル、特に人気キャラの扱いを粗雑にしたのが最大の失敗ではないでしょうか。

倒されるにしても、「さすがは◯◯」と相手に言わせる見せ場がないといけないのです。

まあ、現在、多くのスピンオフ作品が作られ、黄金聖闘士などは名誉が回復されつつあるようなので、それは救いですかね。

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