「麒麟がくる」第44話「本能寺の変」あらすじと、全話を見ての感想

麒麟がくる

最終回は放送枠を15分拡大しての放送でした。
タイトルはズバリ「本能寺の変」です。

今週のあらすじ

1582年5月。
前回、家康の饗応に関して、不手際があり、信長に痛めつけられた光秀。
しかし、今回いきなり「あれこれ言ったが気にするな。家康があの場でどうするか様子を見たかったのだ」と話す信長です。
この作品の信長は、誰かを試すことが多いですね。
それだけ皆を疑っているという暗喩でしょうか。
信長は地図を取り出し、「秀吉から四国に長宗我部がいるから毛利を攻めにくい。背後から襲われる恐れがある」と光秀に伝えます。
それに対し、光秀は「それは秀吉の言いがかりだ」と反論します。
光秀の重臣、斎藤利三の義理の妹が長宗我部元親の妻であり、光秀と長宗我部は昵懇の仲だったと言われています。
反論する光秀ですが、信長は聞く耳を持たず、三男の信孝を総大将に四国に攻め入ると伝えます。
しかも、この話は光秀に伝えずに勝手に進められていたわけで、光秀の面目は丸つぶれとなります。
これが本能寺の変・四国説なのですが、まさか最終回で持ち出されるとは思いませんでした。
なお、織田信孝が四国入りする日は6月3日だったと言われています。
本能寺の変があったのは6月2日です。
怪しいですよね……

信長は毛利攻めについて、光秀に特命を与えます。
備後、鞆の浦にいる足利義昭を殺せという命令でした。
足利将軍がいるから、毛利は大義名分を得ている。
足利将軍がいる限り、戦が終わらないと伝えます。
絶句する光秀でした。
今回、何らかの命令が下されるという予告を聞いていましたが、「徳川家康を殺せ」という内容だと思っていました。
まさか、「足利義昭を殺せ」だったとは……

京、光秀の館。
出迎える重臣たちに兵を集めよと伝えます。
重臣の明智秀満に信長からの命令を話すと、彼もまた絶句します。
細川藤孝に会いたいという光秀。
藤孝は蹴鞠の会に参加していました。
そこに近衛前久がやってきます。
前久は藤孝に安土での件を伝えます。
「信長と明智の間にはすきま風が吹いている」という噂が広まっているそうです。
「そうなったら、そなたはどちらにつく?」と尋ねる前久。
藤孝の答えは「そうならないよう祈るしかない」とのことでした。

場面は変わり、伊呂波太夫の小屋に。
前久から話を聞いた太夫は「叛けばいいのよ」と言います。
「今まで信長に逆らって勝ったものはいない」と前久が切り返すと、「そんなことを言っていては世の中変わらない」と返します。
太夫は「私は叛いてほしい。信長様を倒してほしい。明智様に5万貫すべてを賭けてもいい」とまで言います。

時間軸がさかのぼり、「足利義昭を殺せ」と信長が話した直後に戻ります。
「将軍を討てば戦も終わる」
「ふたりで一緒にゆっくり茶でも飲まないか」
「戦のことなど考えず、ゆっくりと眠りたい」
などと、信長は光秀を諭すように言います。
このあたり、光秀にしか見せない顔なのでしょうね。
しかし、光秀は「自分に将軍は討てない」と応えます。
信長の顔色が変わりました。

光秀の館。
細川藤孝と忠興の親子、それに、たまも一緒にやってきます。
忠興と仲の良い様子を喜ぶ光秀です。
子どもたちを下がらせ、藤孝と光秀だけの会話となります。
軍勢の手配など話します。
藤孝は今回、忠興を大将として、自分は丹波に残るとのことです。
藤孝は将軍殺害の話を持ち出します。
「以前、藤孝殿は上様が道を間違えようとしたら、命がけでも一緒に説得すると言っていたが、今もその気持ちはあるか?」と尋ねる光秀。
藤孝は「覚悟とはどの程度の覚悟を言うのか?」と答えを濁します。
光秀は「覚悟には果てがありませぬ」と話します。
帰り道、藤孝は過労の松井康之に秀吉に使いを出せと命令します。
松井康之は秀吉と仲がよく、本能寺の変のあと、大幅に加増されている人物です。
光秀の覚悟は、細川家を通じて、秀吉に伝わっていた可能性があります。
世渡り上手というか、曲者な細川藤孝です。

月へつながる大木を切る夢を思い出す光秀。
館ではたまが薬草を煎じていました。
たまは忠興のことを褒めます。
話を聞いた光秀は「忠興のような者が戦に出なくてもいい世を作らねばな」と語ります。
たまは以前、光秀と命を共にしようと考えていたそうです。
ですが、今は忠興のことが気にかかると。
「命がふたつあればいいのに」と語るたま。
しかし、光秀は「命はひとつでいい」と言い、「そなたは忠興殿に仕えよ」と話します。
本能寺の変のあと、光秀は細川家宛に「この度のことは忠興ら若い者たちのためにやったこと」という手紙を送っていますが、そのことにつながっているのでしょうか?
たまは光秀の覚悟を感じていたのか心配そうな顔をしていました。

内裏。
近衛前久が正親町天皇に拝謁しています。
織田と明智が争ったとき、帝はどちらに味方するかと問いかけます。
帝の答えは「ただただ見守るだけぞ」という、さすがの答えでした。

光秀は本拠地となった丹波に入りました。
ここでまた信長との会話を思い出しています。
「かつて、民と一緒に漁をしていた優しい信長はどこへいったのか?」と。
ここで、帰蝶の回想シーンが入り、「作った者が責任を持たなければならない」と言います。
信長はというと「ワシを変えたのは誰だ? そなたであろう」と光秀を責めます。
「大きな国を作るためにワシはもう引けない。そなたが将軍を殺せないなら、ワシがやる」と目を尖らせて話します。
「帝を退位させ、ワシが万乗の君となる」とも。
光秀の中で何かのスイッチが入りました。

5月29日、信長はわずかな供を連れて、京の本能寺に入りました。

亀山城?
明智秀満(左馬助)、斎藤利三、藤田伝吾が光秀から話を聞いています。
光秀は「我らは備中へ行かん。京へ向かう」と言い、「京のどこへ」と聞かれると「本能寺」と答えます。
「我が敵は本能寺にあり。その名は織田信長と申す。信長様を討ち、心ある者と手を組み、世を平和にする」と宣言します。
刀を抜き、差し出す光秀。
「私が間違っているなら、私の首を今すぐ刎ねよ」と問います。
重臣たちは「皆、思うところは同じであります」と答えました。

本能寺。
信長は本因坊算砂と碁を打っていました。
確か、珍しい碁石の配置になったという言い伝えがありますね。

再び、亀山城?
光秀の元に菊丸がやってきました。
堺から家康の命令でやってきたということです。
今後のことについて、およその推測がついているという菊丸。
光秀は「今回の戦が終わったあと、家康の手を借りたい」と話します。
一方、「もし負けたとしても、後を頼みたい」と伝えます。
「新しき世になったとき、また会おう」と菊丸に伝え、家康への手紙を託します。

6月1日。
新月で真っ暗な夜、明智勢は丹波を出発しました。
一方、備中の秀吉の陣には、細川からの手紙が届きます。
黒田官兵衛にも手紙を見せる秀吉。
「やればいい。明智様が上様をやれば面白い」と語り、「これは毛利と戦っている場合じゃない」と帰り支度の用意をさせます。
秀吉は愉快な様子でした。

6月2日払暁。
本能寺を明智勢が取り囲みます。
光秀はこの時間にいなかったという説もありますが、このドラマでは現場にいる設定のようです。
「かかれー!」の声と共に寺の門を打ち破る明智勢。
そのまま本能寺へと乗り込みます。
一方、信長は馬のいななきが聞こえ、目を覚まします。
建物の中を歩く信長。
そこに小姓たちが慌てて近づいて来ます。
「軍勢が取り囲んでおります。明智殿の軍勢かと」と小姓たちがいうと、「十兵衛か……」と複雑な表情をします。
矢が飛んで来て、信長の左肩にも一本当たります。
小姓たちが盾になり、いったん奥へと信長は下がります。
信長は「十兵衛……そなたが……そうか……」と口にすると、笑い声を挙げます。
さらに「で、あれば、是非もなし」と不敵な笑いを見せます。

明智勢は屋根の上から鉄砲を放ちます。
寺の中にも兵が乱入しますが、信長や小姓たちは武器を手に奮戦します。
なかなか殺陣上手です。
信長は矢も放ち、戦いますが、槍が折れ、腕にも傷を負うと、ついに覚悟を決めます。
奥の間に行き、死に場所を決めます。
「ここに火をつけよ。ワシの首は誰にもやらぬ。ワシを焼き付くせ」と告げると部屋に入ります。
光秀も信長も、初対面したときのこと、大きな国について話したことなど、これまでにあったことを思い出します。
光秀は炎で焼かれる本能寺を見て、難しい表情でした。
一方、信長は炎の中、前かがみになって、子供が眠るかのように倒れていました。
信長もまた、自分の暴走を誰かに止めてもらいたかったのかもしれません。

伊呂波太夫が東庵の館へ。
本能寺が焼けていることを告げます。
「まさか、明智様が信長様を……」と絶句する東庵と駒。
駒は若き日に光秀と麒麟の話をしたのを思い出していました。
考えてみれば、このときの駒は何歳なんでしょうね?

本能寺の焼け跡を現場確認する光秀。
一気に老けたようにも見えました。
これ以上の捜索は無駄と考え、引き上げの準備をさせます。
引き上げ中の光秀に声をかけたのは伊呂波太夫。
「きっとこうなると思っていた。帝もきっとお喜びでしょう。明智様ならきっと美しい都を作ってくれる」と声をかけます。
光秀は駒への伝言を頼みます。
「きっと麒麟がくる世を作って見せる」
「麒麟はきっと、この光秀が呼び寄せてみせる」と。

ここからはナレーションによる説明となりました。
明智光秀は天下を取りました。
柴田勝家は知らせを受けて呆然としていました。
細川藤孝や筒井順慶は光秀に味方しません。
家康は菊丸らと伊賀越えで三河に戻ろうとしていました。
そして、6月13日、秀吉の軍が西からやってきて、光秀が敗れたことが伝えられます。

時は移り、舞台は本能寺の変から三年後(1585年)へ。
帝と東庵が碁を打っていました。
秀吉が関白になったことを東庵は驚いています。
駒はといえば、なんと鞆の浦にいる義昭に会いに行っていました。
駒は小早川家の茶会に招かれているとのことでした。
それを聞いた義昭は「あんな男のところに行くのか? あいつは真っ先に秀吉と手を組んだ節操のない男ぞ」と非難します。
まさかの小早川隆景批判です。
後に関ヶ原で西軍を裏切る養子の小早川秀秋に対する皮肉も入っているのでしょうか?
「世を正しくするためには志(こころざし)が必要だ」と義昭は説きます。
「信長にはそれがあった。光秀にははっきりとそれがあった」と。
すると、駒は光秀が生きているという噂があることを話します。
「まことか?」と笑い、本気にしない義昭。
丹波山中に潜んでいるという噂があると説明します。
駒は賑わう市場の中を歩いていました。
京でしょうか?
鞆の浦でしょうか?
すると、そこで光秀に似た侍を見かけます。
駒は必死に声をかけて追いかけますが、見失います。
そのあと、光秀らしき侍が馬を走らせているところで「完」の文字。
「麒麟がくる」全44回が終わりました。

全話を見ての私的感想

結局、本能寺の変の理由は、斎藤道三と共に信長を作った存在である光秀が、責任を取ったという感じになるのでしょうか。
最後は四国説も出てきました。
秀吉や家康は黒幕ではないものの知っていたという感じでしょうか。
朝廷は民事不介入という感じでしたね。
怨恨ではないものの、信長非道阻止説に近いものがありました。
最後、山崎の戦いや勝竜寺城から脱出して、山科付近をさまようシーンがないのは物足りなく感じました。
ですが、それによって「光秀が生きているかも?」という終わり方ができました。
光秀は南光坊天海と同一人物なのでしょうか?
それとも、美濃の中洞に逃げて、荒深小五郎と名乗ったのでしょうか?
こういう終わり方をしたので、光秀を演じた長谷川博己はスピンオフ作品などができるなら参加したいと述べていたとか。

個人的には全回を通して、楽しく見ることができました。
元々、明智光秀好きということもあるのですが、俳優たちの名演技や、通説にとらわれない独自の解釈などが新鮮な驚きを与えてくれました。
主演の長谷川博己は苦悩する光秀をうまく演じていましたし、信長役の染谷将太など、最初見たときはずいぶんとイメージと違うな思いましたが、独自の解釈で見事な信長像を作ってくれました。
秀吉役の佐々木蔵之介は秀吉の腹黒い面をうまく演じていましたが、小男の秀吉を演じるには少し背が高すぎるなとは思いました。
家康を演じた風間俊介は少し童顔すぎるかなとも。
正親町天皇を演じた坂東玉三郎はさすがの気品ある演技だなと感服しました。
足利義昭を演じた滝藤賢一も見事に落差のある演技をしていたと思います。
いずれも個人的な感想です。
配役などについては、人それぞれ意見があると思います。

正直、明智光秀を主役に大河ドラマを作ると聞いたとき、前半生がはっきりせず、最後はバッドエンドになるのにどうするんだと思ったものですが、見事にいい意味で裏切ってくれました。
明智光秀といえば、これまで儒教思想や皇国史観によって、裏切り者の悪い奴というイメージが世間に流布していました。
ですが、このドラマを見た人はずいぶんとイメージが変わったのではないでしょうか?
能力主義の織田家の中でもっとも出世した人物が、信長に信頼されていないわけがなく、ただの恨みだけで信長を殺すわけがないと長年主張していたのですが、なかなか誰にもわかってもらえず、歯がゆい思いをしていました。
怨恨説により、卑小化されて見られていた光秀ですが、織田家中筆頭とも言える存在の光秀の力は、皆から頼られるほど大きかったのです。
このドラマのように光秀もまた追い詰められていたのではないでしょうか?
皆に信長を倒すことを期待され、後に引けなくなったのではないでしょうか?
結果的に秀吉のプロパガンダよって、悪者にされてしまうわけですが……
最終回は視聴率も好調だったようですね。
ここ数回の光秀の立場はまるでパワハラに苦しむ中間管理職のような立場でした。
同情する人も多かったのではないでしょうか?

しかしながら、惜しい大河ドラマだったなという思いもあります。
沢尻エリカの逮捕によって、一部取り直しを余儀なくされましたし(結果、川口春奈の名演技が見られましたが)、なによりコロナ禍で撮影ができず中断される出来事もありました。
コロナが原因で密集するシーンが作れず、戦闘シーンはほとんどありませんでした。
オリンピックが予定されていて、通常の大河より回数が少ないのももったいない気がしました。
後半がかなり駆け足だったので、回数さえあれば、もう少し丁寧に描けたのではないかとも思います。
光秀の妻もあまり目立ちませんでしたし、山崎の戦いも描かれませんでした。
架空人物に対する批判も多かったですね。
個人的には話をスムーズにするためにある程度は必要だったと思っていますが、彼らに尺を取りすぎた面は確かにあったと思います。

ケチをつけようと思えば、なんとでもつけられますが、それを差し置いてもいいドラマだったと思います。
帰蝶を演じた川口春奈が語り部となる総集編も放送されるようですし、見てみますかね。
次の大河ドラマを見る予定は今のところないです。
しばらくは麒麟ロスになりそうです……

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