PCゲーム攻略本「チャレンジAVG&RPG」通称チャレアベはこんな本でした。

ゲーム

「チャレンジAVG&RPG」通称(略称?)「チャレアベ」は、1985年頃から1990年頃までに電波新聞社から発売されていた、パソコンゲーム(特にアドベンチャーゲームとロールプレイングゲーム)の攻略本です。

攻略だけではなく、ゲームの魅力を伝える本でもあります。

同社のパソコン雑誌「マイコンベーシックマガジン(通称ベーマガ)」の別冊という形になっています。

調べた限りでは、5巻まで発売されたようです(それ以前にチャレンジAVGという攻略本が発売されており、それを入れると6巻になります)。

後に復刻版も発売されているようですが、初版本はマニアの間ではプレミア化しているみたいですね。

私の手元には1,3,4,5巻が残されています。

なぜ、中途半端な冊数なのかというと、おそらくそのときクリアしたいゲームが掲載されていた巻だけを買ったのかと。

当時、パソコンゲーム系の攻略本は結構高く、この本も2000円前後しますので、田舎の中高生にはなかなか買えなかったのです。

ちなみにファミコンゲームの攻略本は500円くらいで発売されていました。

やはり、パソコンは少し大人向けのものという価値観があったのでしょう。

当時はWindowsが発売される前の時代で、パソコンハードもPC88やPC98、X68000やX-1、FM-77などと乱立している時代でした。

チャレアベの著者は?

著者は山下章氏です(現:ベントスタッフ社長)。
オールドゲーマーなら「ベーマガ」や「パソコンサンデー」でおなじみだった方です。

「私に解けないアドベンチャーゲームはない」という名セリフがありました。

「クイズドレミファドン!」のグランドチャンピオンになった経験もある方です。

ベントスタッフのHPです。

インデックス - スタジオベントスタッフ
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チャレアベはどんな雑誌?

このチャレアベシリーズの特徴は複数のゲームを攻略している本であることです。

当時、ファミコンゲームと違い、パソコンゲームの攻略本というのはあまりありませんでした。

光栄(現:コーエーテクモ)が公式ハンドブックというものを発売していた程度だったでしょうか。

インターネットなんてものがまだない時代です。

田舎の中高生が難しいゲームを攻略しようと思ったら、毎月発売される「ベーマガ」や「ログイン」などの雑誌を買って、攻略記事を読むしかありませんでした。

当時のゲームの難易度は、今のゲームとは比較にならないほど厳しかったです。

ファミコンのゲームでも当時は難しかったですが、パソコンゲームはさらに上を行っていました。

なんせ、アドベンチャーゲームをプレイするにも「Talk Man」なんて、英語でコマンドを入力しないといけないゲームが多々ありました。

また、当時のパソコンゲーム界には、今のようにUSBで簡単に接続できるようなコントローラーもありませんでした。

アクションゲームをプレイするにも、キーボードのテンキーで操作し、ZボタンやXボタンで、ジャンプなり、攻撃なりをする時代でした。

それだけに、この本は非常にありがたい存在だったのです。

攻略以外の記事も充実していました

攻略本なのでゲームの攻略記事が当然中心になっています。

しかし、製作者たちへのインタビューやキャラクターデザインの原画、巻末にはゲームBGMの楽譜が掲載されているなど、攻略以外の記事も非常に充実していました。

私の持っている巻ではハイドライドシリーズのプログラマーである内藤時浩さんが何度も登場し、製作の裏話などを語られています。

掲載・攻略されていたゲームなど

多すぎて、とても記載しきれないので、代表的なものを紹介しておきます。

懐かしさを感じるソフトばかりだと思います。

なお、多数のソフトの攻略が紹介されていますが、ほとんどすべての原稿を山下章氏ひとりで書かれているとのことです。

1巻掲載のゲーム(抜粋)

・北斗の拳
・ウイングマン2
・デゼニワールド
・オホーツクに消ゆ
・ザナドゥ
・ハイドライド2
・は~りぃふぉっくす

北斗の拳やウイングマンはエニックスから発売されていました。

当時は良質なアドベンチャーゲームを作っている会社でした。

デゼニワールドはハドソンです。

ハイドライド2の製作秘話を内藤時浩さんが執筆されています。

2巻掲載のゲーム(抜粋)

※私は所持していませんが、ネット上の情報で確認
・ザナドゥシナリオ2
・ロマンシア
・覇邪の封印
・ウルティマ3
・太陽の神殿アステカ2

この巻では日本ファルコムの作品でも特に難しいと言われているザナドゥシナリオ2やロマンシアが攻略されています。

実際、作者もかなり攻略には苦労されたようです。

3巻掲載のゲーム(抜粋)

・めぞん一刻
・うる星やつら
・イース
・サイキックウォー
・ウィザードリィ1.2.3

めぞん一刻とうる星やつらはマイクロキャビン社から発売されていました。

うる星やつらはファミコン版のようなアクションゲームではなく、アドベンチャーゲームです。

イースについては説明不要な日本ファルコムの代表作ですね。

開発スタッフさんたちが紹介されています。

4巻掲載のゲーム(抜粋)

・ジーザス
・ウイングマンスペシャル
・めぞん一刻完結編
・ハイドライド3
・ウルティマ4
・ガルフォース
・タッチ
・陽あたり良好
・ドラクエ3
・キャプテン翼

ジーザスはエニックスが発売した宇宙船を舞台にしたゲームで、一説にはコマンド選択型アドベンチャーゲームの最初とされています。

タッチはファミコン版のようなアクションゲームではなく、アドベンチャーゲームです。

この巻にも内藤時浩さんが登場し、ハイドライド3製作秘話が書かれています。

なお、ドラクエ3とキャプテン翼はファミコン版です。

この巻より初めてファミコンゲームが取り上げられています。

ただし、攻略ではなく、紹介というような形です。

5巻掲載のゲーム(抜粋)

・スナッチャー
・アンジェラス
・バーニングポイント
・サイオブレード
・きまぐれオレンジロード
・どろろ
・イース3
・ウィザードリィ4
・アークス

イース3以下は攻略ではなく、紹介です。

裏技が紹介されているコーナーもありました。

アンジェラスについてはこちらの記事も読んでやってください。

最後に…単純な攻略本ではありませんでした

今はネットで検索すれば、いくらでも攻略法が出てくる時代。

もうこういう本は時代遅れなのかもしれません。

しかし、製作秘話などを読んでいると当時の作り手の情熱が感じられます。

また、その素晴らしい情熱の詰まったゲームの面白さを紹介しようという書き手の情熱も感じられました。

昨今、すごいスペックのハードから、当時では考えられないほどのすごいグラフィックや演出がされたゲームが次から次へと発売されています。

ですが、私は5インチのフロッピーをディスクドライブに入れるときの、あのドキドキ感に匹敵する感動は、ここ数十年経験できていません。

オールドゲーマーの郷愁かもしれませんが、スマホで撮影する写真一枚のデータよりも少ない容量で、あれだけの感動を与えてくださった当時の製作者たちに感謝したいですね。

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