かつて寝食を忘れるまで熱中したダビスタに帰ってきてほしい。

ゲーム

ダービースタリオン、通称ダビスタは薗部博之氏によって開発された競馬を舞台にしたゲームです。

発売元はいろいろですが、ファミコンから、スーファミ、プレステ、サターン、DSなど多彩なハードに移植され、現在はスマホのゲームとして続いています。

シンプルなゲーム方式から、多くのファンを生み、ここから実際の競馬に手を出す人間が続出しました。

私もそのひとりです。

一時期は、各種、競馬専門誌がダビスタを大々的に取り上げていました。

特に同じアスキー系列の雑誌だった「サラブレ」などは、本来の競馬記事より、ダビスタ記事の方が多かったのではないかというくらいの取り上げようでした。

ハイセイコーとオグリキャップと武豊が競馬ブームを作ったと言われていますが、ダビスタもその中のひとつとして加えても過言ではないと思います。

しかし、このゲーム、だんだんと出来がイマイチになり、ファンが離れていきました。

一体、何がいけなかったのか、ゲームの紹介を兼ねて検証したいと思います。

ちなみに私は、スーファミ版の3と96、PS1版と64版とDS版をプレイしています。

スマホ版も少しプレイしましたが、面白くなかったのですぐにやめました。

シンプルさが売りだったのですが……

このゲームの売りのひとつにシンプルなゲーム構成と、テンポの良さがありました。
操作性も良かったです。

プレイヤーのすることは、基本的に繁殖牝馬を購入して、種牡馬を選んで種付けをするところから始まります。

生まれた馬が走りそうだったら、厩舎に入れ、調教を施します。

馬体が仕上がったらレースに出走させ、最終的にはすべてのG1レースを制覇するのが一旦の目標です。

牝馬は引退後、繁殖牝馬にすることができ、そこから血をつないでいくのも魅力のひとつでした。

しかし、いくつかのバージョンは調教シーンが長い割にカットできないというようなテンポの悪さが見られました。

配合理論が複雑になった

初期の頃は、同じ血を混ぜる「インブリード」と相性のいい血統同士を組み合わせる「ニックス」の2種類しか配合理論がなかったのですが、後に「面白い配合」というものができ、さらには「見事な配合」、「考えられた配合」というものまでが作られました。

面白い配合まではシンプルだったのですが、「見事な配合」や「考えられた配合」は攻略本でも見ないとなかなか成功させられない配合でした。

確かにダビスタ3では親子の馬をインブリードさせるひどい配合で強い馬ができるようなことがあり、ゲームとしてどうなのかと思われる点もありましたが、その分シンプルでいろいろなことを試したくなる面白さがありました。

しかし、複雑になった配合は作業のようなものになってしまい、面白味が薄れてしまいました。

ひどくなったゲームバランス

PS1版のダビスタは、馬体重が軽くないと瞬発力が発揮できないという仕様になっており、強い馬でも馬体重が重いと勝てないというゲームバランスになっていました。

また、DS版のダビスタはディープインパクトの全盛期だったこともあり、追い込み馬が勝ちやすく作られていました。

多少の調整なら仕方がないと思うのですが、このDS版は先行した時点でもう負け、というようなひどいゲームバランスでした。

しかも、気性の悪い馬は騎手の指示を利かず前に行ってしまうという仕様でした。

せっかくの期待馬がどれほど敗れたことでしょう。

携帯ゲーム機とダビスタとの相性はいいなと思っていただけに、この点が非常に残念でした。

最強馬を作る楽しみが薄れた

ダビスタの目標はすべてのG1レースを制覇することですが、もうひとつの目標として、最強馬を作りあげて、全国の強豪プレイヤーたちが作った最強馬と対決させるという目標がありました。

当時、競馬雑誌などでは頻繁に大会が行われていました。

最強馬を作る組み合わせなどが研究され、全国のプレイヤーたちは寝る暇も惜しんで種付けを続けたものです。

今、血統競馬評論家として活躍中の亀谷氏などもそのひとりです。

しかし、一部のダビスタには、この対戦モードが用意されていませんでした。

あっても不具合が多かったり、DS版など数十秒以内にパスワードを入力しないと楽しめない方式になっていました。

パスワードを入力して出走登録するなんて、昔のファミコン版時代へ逆戻りです。

どうして、DSの時代になってまで、そんなことをしなければならなくなったのでしょうか?

騎手に個性がなくなった

昔は仮名ではあったものの、顔グラフィックもあり、見れば誰だかすぐにわかるような騎手が起用されていました。

しかも、それぞれの人物紹介があり、得意の騎乗パターンや癖が紹介されていました。

しかし、あるとき実名にした際、騎手の団体に許可を取っていなかったようで、騎手が無個性になってしまいました。

お気に入りの騎手を作って、ずっと自分の馬に乗ってもらうというのもひとつの楽しみでしたが、それもなくなってしまいました。

ちなみに、スマホ版のダビスタはうまい騎手に乗ってもらわないと勝てないほどの仕様でした。

しかも、調教と出走レースを厩舎におまかせするモードにしておいた場合、せっかくトップジョッキーが乗っていた馬なのに、肝心のレースでは、急にランキング最下位クラスの騎手が起用されるという不可解な設定になっていました。

他にもっと騎手がいるだろ!と何度イライラしたことか……

最後に

いろいろとボロカスに書いてしまいましたが、これは夢中になったダビスタ3や96の時代を知っているからです。

プレイヤーはあの頃のシンプルでスピード感のあるテンポの良いダビスタを望んでいるのではないのでしょうか。

むしろ、余計な手を加えず、あの頃のダビスタに最新のデータと少し良くなったグラフィックくらいを導入してくれたら、それが一番ではないかと思います。

パスワード入力はもちろんなしにしてもらいたいですが……

今のダビスタは薗部氏がどれくらい関わっているのでしょうか?

最近のダビスタを見て、薗部氏は満足しているのでしょうか?

途中から、本当にテストプレイをしているのかなと思うほど怪しいゲームになったと思いました。

もう一度、あの頃のダビスタに戻って来てもらいたいです。

2020.07.22追記 アンケートで3位

アンケートサイトが、ファミコン史上一番好きなシミュレーションゲームは何かと調査したところ、ダビスタは3位だったようです。

私と同じような思い出を持つ人が多いのでしょうね。

ちなみに2位は「信長の野望」で、1位は「ファイアーエムブレム」だったようです。

2021.4.13追記・サラブレ誌休刊

スマホゲームの世界では「ウマ娘・プリティダービー」というゲームがブームとなっています。

そんな中、老舗競馬雑誌の「サラブレ」の休刊が発表されました。


ダビスタブームのとき、誌面の半分くらいをダビスタに割いていた競馬雑誌でした。

アスキー系列の出版社が出していたのもその理由でしたかね。

ダビスタ自体の人気が落ちて、雑誌の売上も落ちたのでしょうか?

競馬雑誌の中では売上好調と聞いていたのですが、残念です。

昔はアイドルが表紙を飾っていて、若き日の仲間由紀恵も表紙に登場していたのが思い出されます。

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