「鬼殺の剣」はただのパクリ。模倣するなら先人へのリスペクトが必要 

書評・その他

はじめに……「鬼殺の剣」?

韓国で製作されたゲームアプリ「鬼殺の剣」があまりにも日本で話題の漫画「鬼滅の刃」とそっくりだと話題になっています。
製作者側は「和風で鬼を倒すということで自然と似たのだろう」、「パクリではない」などと主張しているようです。
しかしながら、絵柄を見ればパクリなのは一目瞭然です。
かの国のパクリは今更珍しいものではないですが、「起源はこっちだ」と言われないようにだけはしてほしいものです。

模倣も悪くはないのですが……

誰が言ったのかは忘れましたが「芸術は模倣から始まる」という言葉があります。
例えば、天才漫画家、手塚治虫氏もディズニーや宝塚歌劇団と言ったものから影響を受けています。
藤子不二雄氏や赤塚不二夫氏もSF小説やら映画などから明らかに影響を受けて漫画を書いています。
今の時代、何の影響を受けずに作られた作品なんてないと言ってもいいほどです。
では、この場合との違いは何か?
それは、先人の作ったものに対するリスペクトがあるかないかだと思います。

リスペクトが必要

アメリカで開発された自動車を見て、同じものを作りたいと考えた、偉大なる日本の先人たちは研究に研究を重ねました。
そして、今や世界一と言っていいレベルの車を作りました。
ラーメンやカレー、天ぷらなんてものは元は他国が起源の食べ物ですが、日本人は上手にアレンジし、今や日本食となっています。
アニメや漫画も言うに及ばず、ゲームなどもそうでしょう。
ゲームで言うなら、ドラクエが話題となったとき、似たようなゲームが雨後の筍のように多数発生しました。
しかし、その中から、やがてファイナルファンタジーのような傑作が生まれることになります。
テトリスが話題になったときもそうでした。
最初に影響を受けたコラムスという名作が誕生し、ブームが終わりかけの頃、ぷよぷよという名作が誕生しました。
私はこういうパクリはいいものだと思っています。
先人の作ったものを見て、刺激を受け、同じ物を……いや、それ以上の物を作ってみたいと努力されているからです。

劣化コピーはいただけない

ですが、今回の「鬼殺の剣」のような劣化コピーとでも言うべきものには、先人へのリスペクトがまるで感じられません。
言うなれば、「誰かがオリジナルと間違えてインストールでもしてくれればいいや」「儲かればそれでいいのだ」という意識が透けて見えるのです。
こういうのをパクリと言わずしてなんというのでしょう?
卑下されて、唾棄されるべき存在です。
しかも、「パクリではない」と開き直っているから悪質です。
昔、ガンプラが人気だった頃、「ガンガル」というパクリのプラモが発売されていました。
今となっては、ネタとも言うべき存在となり、むしろプレミアさえ付いているようですが、この「鬼殺の剣」はそれにさえ及びませんね。
間違えて、インストールされる人がいないことを祈ります。

2020.04.28追記

さすがにまずいということになったのか、発表からわずか5日でサービス終了となったようです。
因果応報と言えるでしょう。
課金されている方がいないといいのですが。

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