南米チリでキャプテン翼の表現(三杉のビンタ)に関する裁判が行われる。

漫画・アニメ

裁判に至る経緯

日本では森元首相の女性に対する発言が差別だと騒がれている頃、海の向こう南米チリでは、キャプテン翼のアニメで男性が女性を引っ叩くシーンが問題視され、裁判となっていました。
このシーンについて、審査団体が問題とし、テレビ局側に罰金命令を出したのですが、テレビ局側が無効を求めて提訴しました。
最終的に裁判所は「性を理由とした暴力ではない」と判断し、罰金命令は取り消されました。

問題のシーン解説

キャプテン翼を読んでいない人にもわかるように解説させていただきます。
主人公の大空翼率いる南葛SCが全国小学生サッカー大会準決勝にて、武蔵FCと対決することになりました。
当時、武蔵FCには、将来を最も期待されていた天才プレイヤー三杉淳がいました。
三杉淳も大空翼と対決するのを楽しみにしていたのですが、実は三杉は先天的な心臓病を抱えていて、30分程度しかプレイできない身体でした。
そのことを知っていた三杉のことが好きな武蔵FCのマネージャー青葉弥生は、実は翼とも元同級生という間柄でした。
結果、勢い余って、試合前に翼を呼び出し、秘密をバラした挙句、試合に負けてくれるようお願いをしたのです。
そのため、試合の序盤、翼のプレイは精彩を欠き、三杉のプレイも物凄かったことから、一時、戦意を喪失するほどでした。
事情を知った三杉はハーフタイムの際、勝手に秘密をバラした上、相手に対し負けてあげてなんていうのは失礼だと、青葉弥生を引っ叩いたのでした。
対決を楽しみにしていたことをぶち壊されたという怒りもあったかもしれません。

チリの裁判所の裁定

チリの裁判所はそのシーンだけを見て判断せず、前後の文脈をちゃんと読んでまともな判断をしました。
裁判長は「キャプテン翼は暴力的な話ではなく、サッカーに没頭した子供たちの成長物語だ」と語り、また「三杉の暴力はマネージャーが女性だから起こったものではなく、他人の秘密やプライベートを漏らしたために生まれたものだ」と述べました。
つまり、女だから引っ叩いたわけではないと。
マネージャーが男でも引っ叩かれていただろうというところでしょうか。

個人的意見

どこの国にもフェミニスト団体はあるのでしょうが、チリではアニメの表現にまで口出しし、裁判沙汰になるくらいの地位を確立しているのですね。
それだけ、女性に対する暴力が問題になっているお国柄なのかもしれませんが。
キャプテン翼の作者も、このニュースを聞いていたら、驚いているのではないでしょうか?
いくら世界的な漫画になっているとはいえ、まさか、外国でそんな騒ぎになっているなんてね……
それにしても、チリの裁判所がちゃんと前後の文脈を読んで判決を下したことに安心しました。
もし、暴力的でとんでもないシーンだなんて、裁定が下されていたら、漫画に影響する可能性もゼロとは言えませんし。
愛読者としては、胸をなでおろしました。
それにしても、先日、日本でも「ダイの大冒険」のアニメで、一部シーンが改変されたのが話題となりましたが、何かと難しい時代になりましたね。

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