今も昔も小学生、特に男の子のバイブルとも言える雑誌コロコロコミック。
数多くのブームを生み出して来た雑誌でもあり、子どもに与える影響は非常に大きいです。
何がそこまで子どもの琴線に触れるのか自分なり分析してみました。
なお、私が読んでいたのはかなり昔なので、現在の読者層とは若干ズレがあることをあらかじめご了承ください。
コロコロコミックにおけるホビーの売り方
ファミコン、ラジコン、チョロQ、ミニ四駆、ドッジボール、ポケモン、妖怪ウォッチなどのブームを作ったコロコロですが、こんな売り方のパターンがありますね。
ホビーに関する漫画を始める。
メーカーとタイアップし、売りたいホビー(コロコロでは玩具や遊びをこう表現しする)に関する漫画を始めます。
「ファミコンロッキー」「ラジコンボーイ」「ドッジ弾平」などが有名です。
このとき主人公は読者が共感できるよう初心者であることが重要です。
ただし、そのホビーには素人でもヒーロー感を出すため、何か別の特技を持っていることがあります。
(例:「ファミコンロッキー」の主人公は空手チャンピオン、「プラコン大作」の主人公は釣り名人でした。)
主人公の仲間には、かわいいヒロインはもちろんですが、大金持ちの友人や天才科学者、ホビーに関する店の経営者などがいることが多いです。
大金持ちの友人や天才科学者がいると、スケールの大きなイベントなどを開いたりする話の流れに持っていきやすいようです。
事実、全国大会が開かれるという流れになり、地域性のある特技を持つライバルが登場するのがよくあるパターンです。
ある程度、話が煮詰まるとホビーを使って世界征服を考える団体や悪徳政治家などが登場するファンタジックな流れとなりますが、この頃にはブームが終わりかけていることが多く、そのうち連載が終わります。
メーカーの担当者をヒーローにする。
売りたいホビーのメーカー担当者を名人、兄貴などと呼んでヒーローにするのも特徴です。
一番有名なのがファミコンの高橋名人ですね。
メーカーの広報担当者だけあって、元気な兄貴分的役割になることが多いですかね。
彼らは漫画にも登場することが多いです。
全国大会を開く
ホビーが人気になってくると、漫画の中だけでなく、現実世界でも全国大会を開くのがお約束です。
ハドソンが行った全国キャラバンやドッジボールの全国大会などが有名です。
このとき先述したメーカー担当者が旗振り役として大活躍することになります。
コロコロは軸となる漫画がしっかりしている
ホビーばかりが取り上げられがちなコロコロコミックですが、元は「ドラえもん」の総集編として始まった雑誌です。
それだけに軸となる藤子不二雄先生関連の漫画がしっかりと鎮座しているため、ホビーに関心のない子どもでも楽しめます。
少年ジャンプにおける「こち亀」のような存在と言えるかもしれません。
瞬間最大風速ではホビーに関する漫画の方が人気となるわけですが、そちらはブームが終わると打ち切られる不安定な存在です。
しかし、コロコロには普遍的な面白さがある藤子不二雄先生の漫画があるため、仮にホビーやそれに関する漫画がこけても、売上への影響はそこまでないわけですね。
逆に言うと、軸がしっかりしているため、他の漫画家たちも冒険しやすい環境にあるのかもしれません。
コロコロは新人漫画家への育成にも熱心で多くの児童漫画家を輩出しています。
子ども心理をついた下ネタ
小学生男子が喜ぶ下ネタというものが確実にあります。
漫画では巧みに使われています。
コロコロ編集部ではこれをドリフのギャグから「うんこ・ちんちん現象」と呼んで、抗議など気にしていないということです。
まとめ・これからもこのままでいてほしい
なんとなく、大人の思惑に子どもがだまされているように見えなくもないですが、コロコロ商法にだまされたと不快になる小学生は少数だと思います。
むしろ、大人になってから懐かしく小学生時代を思い出すほどでは?
かつて100万部を発行したコロコロも、ネット社会になったからか、今では3分の1ほどの部数に落ちているとか。
影響力は昔より落ちているのかもしれませんが、小学生男子の心理を巧みに操るコロコロ商法、これからも続けていただきたいですね。
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